orenobook’s diary

読んだ本を気まぐれで紹介しています

『ビジネス思考実験 何が起きるか?を見通すための経営学100命題』

 タイトルはキャッチ―さを前面に出したかったのだろうが、内容はとてもスタンダードなものと認識した。著者は、早稲田ビジネススクール教授の根来龍之(ねごろ たつゆき)氏。「ビジネスマンの基礎知識としてのMBA教室」という、これはサブタイトルにも入っていない表紙上のメッセージなのか、デザインと割り切るのか、はたまた早稲田MBAのキャッチコピーなのかは不明。

 メモとして残しておきたい1つは、P146あたりの「バンドワゴン効果」。電話網のように、ネットワーク効果と似た考え方とされるが、バンドワゴン効果は、著者によれば「ある選択が流行しているという情報が流れることで、その選択がさらに促進されること」と定義され、群衆行動の類型とされるそう。流行に乗るという心理。ある歌手や祖ドルのグループの歌ばかりがうれるのは、ネットワーク効果で説明するより、バンドワゴン効果として説明するほうがしっくりくるとのこと。

 もう1か所は、P215に掲載されている「レントの概念」(by経済学者リカード)。土地の肥沃さは土地によってそれぞれ異なるが、需要が十分ある場合はやせた土地でも穀物の栽培がおこなわれる。やせた土地でも経済的に見合うならば、肥えた土地の所有者は高い利益を上げることができる。この「肥えた土地の所有者=地主」が得る利益がレント(地代)になるとリカードは主張した。ビジネスに置き換えてみれば、ある産業内において、同じ生産要素を使っていても、その利用効率が企業によって異なるので、利益の差が生じる。これが資源ベース戦略論の最初の発想らしい。

 ふむふむ、納得。仕事に活かせる肥料が、パラパラっとふりかかった気がする。とても読みやすかったし、溜まっている順番待ちの本たちを読了したら、もう一度読みたい本の1冊となった。

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https://item.rakuten.co.jp/book/13499565/

 

#根來 #MBA #ビジネス